明日、この世が終わるかのような夕陽。
年に一度きりの、マジックアワー。
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【いと、うつくし。-世界一周ブログ-】**********************
「島で暮らしてみたい」という
小さな野望を持って、
北海道最北の利尻島来たのは、6月のことだった。
それから3ヶ月。
働きながら、ということもあって、
のんびりする時間は少なかったけれど、
「住まなければできないこと」を、
たくさんできた気がする。
自分で開拓した中庭の畑。
最初の頃は、
根深い雑草の威力に悩まされたり、
虫食いの犯人がわからず困ったり、
試行錯誤の連続だった。
途方に暮れたときは、
葉を一枚ずつなでながら、
「育ってくれ〜」と念で何とかしようともした。
そのうち、葉の裏に小さな青虫を見つけて、
そいつが雨上がりに多く現れることを知った。
二十日大根は、
時間的な都合で成熟にはいたらなかったものの、
根は浅漬けに、葉は味噌汁やお吸い物にして、
みんなに食べてもらうことができた。
自分で一から育てた野菜の味は、
育てた者にしかわからない感動があった。
それは、親バカに似た気持ちなのかもしれないな。
住まなければ出逢わない出会いもあった。
それぞれまったく違う人生を歩んできた仕事の仲間たち。
優しくて尊敬できる上司。
働いた宿のおばあちゃん、お母さん、娘さん、お孫さん。
エサを求めてやってくるネコと、
あやしい声で鳴くカラス。
近所の商店のおじさん。
いつも明るいウニ漁のお母さんたち。
出発の日には、
仲間がフェリー出航を見送ってくれた。
忙しい合間をぬって、横断幕を作ってくれていた。
ありふれた言葉よりもずっと、愛のある言葉が書かれていた。
ありがとう。
この3ヶ月は精神的に、苦しいことも多かった。
それは、
「旅」から「日本の生活」に変わる違和感。
忙しさの中で本当の自分を見失い、
くだらないことで心を乱しては、
「自分は未だにこんなちっぽけなことで悩むのか」と、
自己嫌悪に陥ることもしばしばだった。
フェリーが出航して、
島が遠くなって、
その瞬間に、
我に還った感じがした。
もっと優しくなれればよかった。
もっと笑顔でありがとうと言いたかった。
色んな心残りもあるけれど、
ここで学んだこと、
踏まえてこれからも精進していきます。
Now Playing:SUPER BUTTER DOG「サヨナラcolor」
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